『歌ごよみ・お夏芿十郎』

内容は暗く重いかもしれず、話の筋を追うことは出来ない入居者が多いかもしれないが、出演者の顔や雰囲気に助けてもらおうと、美空ひばり市川雷蔵ってキャストに甘えた。 まぁこれも、“図書館の名作棚”の範疇ですな。 *[定番][人情][時代劇] 1954年/89分/モノクロ/【goo映画(解説あらすじ+キャストスタッフ)】 >

< 米問屋但馬屋の手代清十郎は美男子で働き者。但馬屋の娘お夏は気丈な娘で、清十郎を心から慕っているが、表面は主従の気持ちを崩さない。 ある日、但馬屋に米の買付金五百両がお奉行から届くが、商売仇の近江屋は但馬屋の手代勘十郎をそそのかし、その金を盗み出して清十郎に濡衣をきせ、その上、策略を用いて但馬屋を倒産させてしまう。 島流しの刑に処せられた清十郎は、この報を知り、流刑場を脱出し、窮地に追い込まれたお夏と但馬屋を救いに行く・・・・ >
< 演じ継がれてきた恋の物語、美空ひばり版。 本来は悲恋話であり、清十郎は刑死し、お夏は気がふれるが、この映画では適度なハッピーエンドとなっている。(古本屋で中古ビデオとして入手) -【Fumiko Tsuneishi Archive:today's special! Sep. 1999(9/24)】 --《(「お夏清十郎」の話は心中もののはずなのに、この映画はぜんぜん心中しない。とって付けたようなハッピー・エンドでそれも不満)それにしても雷蔵とひばりというキャストで(ひばりは嫌いでもお夏にぴったりなのは認めざるを得ない)、この程度のものしか作れないとはどうしたことだろう。プロットを詰め込みすぎて追っかけるだけで精一杯という感じ。》
-【雷かるた】 --元は、徳川四代将軍家綱の頃、姫路城下に店を構える但馬屋で、暇を出された奉公人の男が主人を恨んで斬りつけ、処刑されるという事件。その裏にあったとされた恋沙汰を強調したものらしい。 --人情話の一部分から笑い話たる落語が生まれる経緯に似てる。想像力は需要への供給なんだね(違う?)。にしても、17世紀の半ばから現代まで、手を変え品を変え時代に連れて、実に息の長いことだ。 -【お夏・清十郎『五十年忌歌念仏』 「笠物狂いの段」】 --姫路に、悲恋の2人を慰める【お夏・清十郎比翼塚】がある。