やってしまいました誤薬

それは朝食後
時間に追われていたわけでもなく
解りにくい状態であったわけでもなく

単純な
言い訳の仕様も無いくらい単純な取り違え
名前の確認ミス


「あれ?目薬が一つだな、Bさんは二つだったはず。持って来るの忘れたかな?」
と思って薬入れに取りに戻ったらそこにはBさんの薬が。
・・・・なんで有るの

いやぁああああちょっと待ってそれ飲むのっっっ

もちろん、時既に遅し


頭の中真っ白


普通は食後になんか触らない薬のストックを引っ張り出し、笑顔が顔に張り付いてはいるものの完全に目が泳いでいる私の異変に気付き、目で何事かと問う他のワーカーさんに対して搾り出したのはひと言。

誤薬しました

入居者さんに気付かれてはなりません。且つ、事は急を要します。
ここには常勤の看護師は居ません。月に一度、訪問医が来るだけです。

先ず、服薬させてしまったものと、服薬頂くべきだったものの内容を確認。
あぁあああ。心臓の薬が有る、鉄剤が有る、そして本来飲んでいただかなくてはならない血圧降下剤をどうしよう。
バイタルは通常。特変も未だ現れて無い。
医師に連絡。
不整脈が昼までに現れなければひとまず大丈夫でしょうと。
体調不良等あれば再度連絡を下さいと。
当人分の薬は、飲み合わせに問題が無いので服薬してもらって下さいと。

誤薬から一時間半後、
居室に戻っていたBさんに、「申し訳ない。さっき、お渡しするの忘れてしまって。」と飲んで頂く。
「いぃのよぉ、私だってしょっちゅう忘れるんだから。一回くらい飲まなくたって大差ないのに。わざわざ持ってきてくれてありがとう。」の言葉と笑顔が胸に刺さる。
バイタル通常。不整脈は無し。特変無し。

再度、他のワーカーへの侘びと経過要観察のお願いをし。

昼食。全量摂取 活気(+)
予定していた入浴は中止。
おやつが過ぎ、夕食を迎え。

なんとか事無きを得たようです。

ここで勤務を始めて4ヶ月が経とうという頃。
慣れてきて、惰性が生まれる、危険な時期。
意識の低下と、慢心の怖さを再確認した出来事でありました。

一応は無事だったけれど、これは運が良かっただけ。
明日は休みだけれど、今日居なかったワーカーさんへのお詫びも兼ねて顔を出さなければ。

次にやりかねないのは転倒。
これは何が何でも避けたい。

生活の場に携わり、命の支援をする者としての責任感を、しっかりかみ締めなくてはなりません。

夜間も今日以降も、Bさんが無事でありますように。

翌日、10時のお茶の時間にこっそり職場に行き、夜勤明けのワーカーさん達にお詫び方々様子を聞いてみました。

「大丈夫大丈夫。なんとも無かったよ。元気元気。
わざわざ来たの?お疲れ様。そんなに大変な物を飲んじゃったわけでもないんだからそこまで心配すること無いよ。」と。

良かった。