花火大会

今年は、2階から5階まで合同で行うとの事で、所長やら副所長やらも列席しての大賑わいとなった。
3階に広いベランダみたいな場所がある。そこへ水を打ち、弧を描いてバケツやイスを用意する。
市販の打ち上げ花火を地面(床?)中央に並べたり柵に取り付けたり担当ワーカー大忙し。
柵下の駐車場に車を停めているワーカーは「火種が飛ぶだろおい」と気が気じゃない様子(笑)

全館上げてのイベントなので、夕食を早めにすることも可能、各階から来るのでワーカーの動員数も多い。普段は殆ど他階との交流が無い為、新鮮。

18時ごろから、入居者の集合を待ちながら夕暮れをバックにわが5階の歌姫、元演歌歌手のワーカーが歌を披露。生歌だってのが理解されたかは不明だが、麻の着物を粋に着こなした姿は、それだけで雰囲気抜群効果絶大。

ぼちぼち入居者が集まりだしたところで、盆踊りのテープを流す。曲は勿論「炭坑節」と「東京音頭」。
踊りなんて合ってなくたって良いんだ。曲とずれてたって誰も気にしない。ワーカーとつないだ手を揺らしながら歩いてるだけだって、それじゃフォークダンスだろって身振りだって、手拍子打ってるだけだって、夏に踊れば盆踊りだもの。
動く部分で楽しんでもらえれば良い。
太鼓の打ち手が変わった。重度痴呆棟の入居者らしい。楽しそうとは到底思えない無表情で実に淡々と叩いているんだが、撥の持ち方、リズムは素人離れしている。昔は打ち手だったのかもしれないなぁ。

日が落ちてきて、手持ち花火が回される。
花火を縦に持って覗いちゃう人、「危ないから」とかなり離れたところで両手に持つ人、隣の人に見せてあげようと火を向けちゃう人、煙を追いかける人。
歓声が揚がる、笑顔が溢れる。
楽しそうな人ばかりじゃないけど、外の空気を吸うだけでだって多少は季節を感じてもらえたと思いたい。

水分補給も大事。飲める入居者にはビールも出た。「勤務外時間だもんねー」とサービス残業組ワーカーも飲む。いつもは水分が進まない入居者に、雰囲気で飲ませる絶好のチャンス。

さて。噴き上げ花火の出番。
一つ一つは小さいけど、すっかり暗くなった空にはよく映えた。
かなりの炸裂音がするものもあり、建物内に残っている入居者への影響も懸念されたが、そこはワーカーのフォローに委ねたい。

火の粉が足へ飛んだトラブルが一件あったが、総勢100人近くが終結した夏の一夜は1/4尺玉の打ち上げを持って大きな事故も無く20時にお開き。
このままワーカーは夜勤者と合流して就寝介助に奔走することとなる。

来年は施設5周年。
今回で様子を掴んだ管理側は、「地域の方も呼んで、夏祭り自体を全館で行いたい」とかノタマッテオラレル。
…ボランティアの確保や、ワーカーの残業代は企画に入ってるんだろうなおい。