かき回してしまわなかったなら良いが

昨日行った折り、「(壁新聞の)紙代領収書が今日あれば処理のタイミングが丁度良かったのに」とナベ氏に言われたのを受けて、バイト帰りにホームへ寄る。
ついでにプリントアウトした壁新聞も持って行った処、とっても誉められて有頂天になる。
置いていくだけのつもりだったが、せっかくなら貼っていけと言われ、更には何故か用意されていた去年の書初めやら去年のひな祭りやら去年の敬老会やらの写真掲示もする。

時間的に夕食後なのでフロアは就寝介助戦争真っ只中。
脳梗塞起こして麻痺を背負い帰って来たばかり入居者A氏は、以前の拒否炸裂は何処へやら、すっかり反応の無い全介助者になってしまったので、様子見の今は夜勤が悲鳴を挙げているのだ。
それでも食事(ゼリーやミキサー食だけど)を「マズイ」と言いやがった(笑)らしく、まぁ、言葉が出て何よりだねと一区切り。
確かにミキサー食は不味いです。トロミ添加物が各副食を均一の味にしてしまうから。もともと味には一家言ある人だっただけに、この食事は拷問だ。
まぁ、家族も居ないし、「死ぬ時ゃ死ぬんだ。ほっといてくれよ」って人だったから、無理には勧めず様子を見て行くらしい。
医者は胃ろうをしたかったらしいが、A氏がオトナシク応じるはずも無く。
「本人の意思尊重」って事でそのまま帰って来たのだ。
まぁね、左手は動くんだし、いざとなりゃぁ胃から出てるチューブを抜くくらいの力は出すだろう。管から流動食を入れてる時間中、ワーカーが付きっ切りで居られやしないし。拒否の時だけは体力総動員する人だったから、危なくて仕方ないもんな。

うろうろしついでに他のフロアに徘徊に来てた一人を寝かせる。
おっと忘れてた口腔ケア。あぁそうだった更衣介助。うーん。一人に掛かりっきりになれるって素敵。
時間に追われ目配り耳配り一杯一杯で瞳孔開いちゃってる夜勤者に報告し、ガンバッテナーと付け加えて無責任にも帰ることにした。

こちらが入居者のペースで動ければ、就寝介助なんて楽なもんなんだよ本来は。
それを、(パートさんが帰ってしまうから)最終的には一人で24人見なきゃなんない。全介助も居れば徘徊も居る転倒要注意なのに一人で動いちゃう入居者も居る。ナースコールは鳴る失禁は有る。一旦横になっても起き出してくる。時間に追われるなって方が無理でしょう。
有る程度寝付いた人が増えて、排泄介助が定時+αになり、一息つけるのは夜中だ。落ち着くのは3時。朝の準備も有るし、ケース記録だって書かなきゃならない。
仮眠時間は1時間だか2時間だか有るけれど、夜中に起き出す入居者も居るのに休めるわけ無いじゃないか。いつ休むのか聞きたいくらいだ。
4時になれば早起き組が動き出す。そうすれば起床介助が始まる。
お茶やお菓子で宥めておいたって静かに座ってるはずも無し。一番転倒事故の多い時間帯。自分も頭を割らせちゃった事があった(部屋で転んだ)。
今はもう出来ないなぁ。と思う。

帰路。遅番のパートさんとバスが同じになる。
職員の異動は多いが、ありがたいことにパートさんの定着率は高い。実際、ケアの要はパートさんなんだよなぁと感謝しきり。
14時から22時までの勤務帯が有ったらいいのにねと話す。どれだけ助かるか。
グループホーム形式なんて耳障りの良い御託を提示してるなら、それに見合う職員配置をして欲しい。
レベルが落ちてもそのフロアにステイなんだから、介護の必要度は増える一方。負担は比例して重くなる。夜勤を一人増やしても罰は当たるまい。そうすれば3人で48人。一人当たり12、3人なら、交代で仮眠も取れるだろうに。
「問題はお金なんですか?」とパートさん。
「夜勤手当とか有りますし、責任上職員を充てないとならないし、おそらく問題はそれなんでしょうねぇ。」
顔を見合わせて溜息を付いてしまい互いに苦笑い。

正直に言う。
自分は辞めておいて良かったんだろうなと。
冷静親身に介助にあたるには、限度ってものがあらぁな。
自分の力量(大して無いが)からしたら、8人が精一杯だよ。
意思もあるし心も有る生身が相手なんだからさぁ。