どっちが“ケア”されているのやら

特に要請が掛かったわけでは無いんだが、入居者への顔繋ぎも兼ねてホームへ行く。
先日から続く頭痛が治まらず、今ひとつ気勢が揚がらない。
自分の気晴らしも兼ねて入居者と外周散歩。
快晴。日差しが暑いくらいだ。

視力は弱いが色彩には敏感なA氏が、「あの黄色い車はカワイイね」と指をさす。その車が自分のである事で会話が始まる。色んな場所にダ・カーポが入るイレギュラーな「もみじ」を歌いながらゆっくり歩く。日陰に入れば「あら、暗くなっちゃったよ、寒いと風邪をひくよ」と誰にともなく話しかける。

疲れるけど、立ってる方が楽なのよと言い、「膝を曲げると転んじゃうのよ」だからこんな歩き方になっちゃうのと、足を突っ張りロボットのように歩くB氏。周りの景色を眺めながらマイペースで歩く。「たまには外を歩くのも良いわね」と上品に笑う。

足が弱り車椅子を使用しているC氏。「あぁ、連れて出ていただいて本当に良かった」「また機会があったらよろしくお願いしますね」と何度も頭を下げる。他人にばかり気を使い、決して我を張らない。「私は兄弟の多い長女だったから。此処の方がよっぽど自由にさせてもらってるのよ」と言ってくれる。

なんだかなぁ。散歩道の途中にある東屋で、好きな歌の話やら、時代の変遷の話やら、のーんびりほやーっとしてるとなぁ、自分の歳を忘れるね。
ありがたいなぁ。


ステーションに戻り、散歩時の入居者の様子をメモに書き、職員に渡す。自分が書くわけにはいかないからだ。
あー。やりっ放しって楽だなぁ(←ちょっと違う)。

ワーカーの数も多い様なのでフロアには出ず、溜まっていた繕い物をする。家では終ぞやらないゴム通しだのボタン付けだの。思うだけ時間を掛けられるってのは集中できて良い。
にしても、大概腰も痛くなるし頭痛もひどくなるしで夕方でギブアップ。
課長が検食を下さったので久しぶりにバランスの取れた仕様補給をし、家に帰る。