続く時は続くと云うが
先日(5/3)の転倒から、大事には至らないものの事故が続き、もう事故はごめんだと立ち向かった本日の日勤。日勤ってのはその日のいわゆるフロア把握者である。
勤務時間の重なる早番は、先日の転倒時に日勤だったワーカーY。
そんな不吉なメンツもさることながら、入居して日の浅い人が二人いることと、歩行不安定者が増加している事もあって、空気は張り詰めっぱなし。
パートさんへの指示、ワーカー間の状況連絡、入居者への目配り、介助、見守り、を一層強化。
多方面への意識配りが飽和し、しばしば「あれ、何するんだっけ」と空白状態になりながらも(おいおい)、休憩らしい休憩も取れずに走る走る。
普段なら極力走らないように気をつけてはいるのだが、そうでもしなけりゃ手が回らなかった。
で、その緊張状態が裏目に出てしまったのだ。
フロアをパートさんに任せ、自分は新しい入居者と共に居室整理や探し物をしていた時。
ゴン。「あ〜いててててて」
血の気が引く。「ちょっとごめん」の言葉も左右確認も忘れて居室から飛び出す。
向こうからワーカーYが飛んでくる。
そして…パートさんが戻ってくる。・・・・居なかったのか。
南無三。
眼下にB氏が横たわっていた。
。。。。嘘だろ。
頭を打ったのは明白。瞼の上を眼鏡で切ったらしく出血も見られる。すでにコブと内出血が出来ている。摑まろうとした取っ手が動き、そこへ額をしたたかぶつけてから倒れたらしい。
意識はクリア。バイタルも正常。発語通常。
強打ではなかったとみなし、車椅子に移乗。(看護師が受診中だったからよぅ)
「痛むか?」足を動かしてみる。腰を触ってみる。
「…いんやぁ」
Yと顔を見合わす。『立ってみてもらおう』
恐る恐る試すことにした。
「立ってみてくれる?」「…何で〜」「まぁまぁ、ゆっくりな」
ふらつきもなく、膝崩れもなく、立位可。そして、歩行可。おっかないので4,5歩で車椅子に座ってもらう。
ーーーーーー。
ワーカー一同大きく溜息。
「眠くってさぁ。迷惑かけちゃってごめんねぇ。どしちゃったんだろうねぇあたし」
思わず抱きしめてしまった。言葉なんて出なかった。
大勢で取り囲んで不安にさせちまったな。驚かしちまったな。ごめんな。
「ごめんなーっ」「いんやぁ、悪いのはあたしだよ〜」そんなこと言ってくれるなよ。
予断は許さないが、当座、折れてはいないようだ。頭を打ったのも気になるが、看護師にもざっと診てもらったし。夜間何事も無ければ・・・。
不安定ながら自力の杖歩行が可能で、暇になると歩き出すB氏。
盲点になってしまっていた。ポケットになってしまっていたのだ。
パートさんは立ち上がったのを見ていたと云う。でも、他入居者のトイレ介助中だった。
要注意者に気を取られるあまり。勝手に優先順位を付けてしまっていた。
全体を満遍なく見る事を怠っていた。偏ってしまっていたのだ。
油断だった。
緊張が焦りとなり、余裕を失っていた。介助者が舞い上がってどうする。落ち着きを欠いていた事が事故を呼んだのだ。
報告書作成にあたり、二人で反省会もどきをする。
「正直な話さ、折れてなくて良かったね」
「まぁね。事故は事故なんだけどね」
「でもね」
「でもだよね」
折れてなけりゃ転ばせても良いのかったら、そんな事ぁ無いんだが、多少ほっとしたのは事実だ。
「私ら、何が悪いんかな。まぁ、運もあるだろうけどさ。これだけ続くとね」
5/3以降の転倒・尻餅の時、Yは勤務だったのだ。
「余裕無くキリキリやってるのがいかんのよな」
「なんかさ、最近の事故のときって同じメンバーなことが多くありません?」
「参るよなー。続いたし。」
「Tさん(フロアリーダー)にどうしてだと思う?って言われたら何て答えたらいいんでしょう」
「(勤務シフトの)打順が悪い。とか。…ぶっ飛ばされるね」
転倒後に起こしたとき、『立ってくれー』って祈っちゃったよね。と力無く笑う。
骨折してたら、こんな風に話なんてできなかったね。溜息付き続けるだけだったよねきっと。
と上手く転んでくれたB氏に感謝した。
あの時(5/3)は凹んだね。と話す。
でもねでもね、今だからいうけど、あの時A(早番だったワーカー)さん、別フロアで皆と一緒にお絞り巻きしてたんだよ。言わせてもらえば、Aさんの危険意識は低かったよ。
とY。
・・・・・なんだとぉ?てっきり風呂場で入浴介助準備に入ってるとばかり思ってたぜ。フロアに居ただと?座って一緒に巻いてただと?そんなの朝の9時にしてる事かよ。
くそったれ、何してやがったんだこのタコ、ボケ、カス。なに悠長な事やってくれてやがったんだ。
よっぽど入居者間が不穏で仲介が必要だったならともかく、そういう交流は時間を選んでやってくれ。
と、この場には居ないA氏に心中鬱憤晴らしをしてみたり。
かと言って、自分だってエラソウな事は云えないのだが。
まぁちょっとした八つ当たり。
ケース記録も日誌も手に付かず、今日は殆ど吸っていなかった煙草をふかす。溜息も吐く。
Yが事故報告書を途中まで書いてくれて「明日からの3連休、ゆっくり落ち着いてきます」と帰ったのが21時。
自分が「明日夜勤だよチクショー。」と鳥肌立ちながら報告書を仕上げ、各種書類の記入を終えたのが22時。
さんざん夜勤の邪魔をしてしまいました。
ごめん。