人はそれを要領が悪いと呼ぶ(否定できません)

L勤ってのが日中帯のいわば責任者。フロアの把握をするメインだ。
D勤ってのが日中帯ではあるがフリーで動く者。その日によって居たり居なかったりする。
あとは早番(C勤:これは毎日居る)、遅番(E勤:パートさんが代行する日が多い)。で、夜勤(B勤)。これらが職員ワーカーの勤務帯。
付いてるアルファベットが一体何の略なのか、何かの順序なのか、皆目わからない。LはLeaderなんだろうけれど。

夜勤明けの日、その日のL勤がフロアで紙芝居をやっていた。
「Lなのに偉いな。自分はそんな余裕が無い。」と感心していたら近くに居た相談員が苦笑した。
「余裕は作るもんなんだよ。頭の構造がおもしれぇなぁお前はほんとに。」

…。持ってる手駒で頭を回すのに精一杯で、追加する気力も無ければ余裕を作る整理力も無い。
L勤でさえなければ、これで結構いろいろ気が付いたり目が配れたりするのだ。とはいえLの時よりいくらかマシな程度で、他のワーカーと比較されたら話にならないのだけれど。
気ばかり焦って時間を気にして。他のワーカーやパートさんが手助けに来てくれても即座に指示を飛ばせない。
とにもかくにも責任がキライ。それが有るだけで回路が滞り萎縮してしまう。ただでさえ滑らかでなく錆付いているのに。

「あんたはねぇ、福祉やるんなら本式の小規模なグループホームが向いてるよ。システマティックな職場は向かないだろ」とは相談員の言。
ここに至るまで、よもや自分が福祉畑でお金もらう事になるとは夢にも思っていなかった。相手は生き物。それも最も不得手な人間で、しかもチームワーク不可欠な仕事。唯一の救いは仕事対象が理性よりも本能に近い所で動く人間達だって事。

正直今でも毎日転職を考える。目に付けば只で置いてある就職情報誌を眺める。で結局給料を考え比べて決定には至らない。
自分にどんな仕事が向いているかなんて今となっては判断付かないし考える事も少なくなったけれど、今の職場でも本来の仕事内容より雑務が楽しいのは確か。そして今現在、定期的に入ってくるお金が必要なのもまた確か。

余裕は作るもの。
そういえば母親も良く言ってたっけ。常に頭は動かしておけとも。
兄にも同じようなことを言われた記憶がある。
言葉の意味を深く理解し、実行に移すのが自分には必要なんだな。と改めて感じる。
…と。感じただけで気が済んでしまうから進歩が無いんだ。