予防摂取

インフルエンザが来たのだ。
普段は看護婦任せな為にエラク痛いと悪評高い医者が打ちに来るのだ。

意を決して医務室へ入る。
「痛いですよー」
と言いながら打つ医者。そんなんが免罪符になるものか。
打たれた後、
「痛いです」
と呟いたら記録の為に控えていた看護婦連に笑われた。

「揉んだり掻いたりしたら腫れるよっ」
とフロアの看護婦の叱咤が飛んでいる。
腫れた腫れない、血が出た出ないと各職員が注射痕の品評会をやっている。

「腫れなかったら陽性だっけ?」
誰も答えてくれない。ココロナシカ視線が冷たい。

「馬鹿者。そりゃツベルクリンだ」
あう。