徘徊の目的

性別で傾向を分けるの好きじゃないんですけど。

男性の徘徊は、“仕事探し”が多い気がします。

“見回り” “確認”をなさる。
だから、特養に居た時は、
「本日はお疲れ様でした。以降は不肖、私が代わります」とか、
「このお部屋(当人の居室)をお願いします」とか、
そんな感じで対応することが多かった。

そんでも何分、特に夜勤時は、同時多発だったり他の人の対応に追われてたりしてるもんだから、“徘徊させっ放し”にしてた事も多かったと思う。
声を掛けるとしても、「そこ違いますよー」程度とかね。

今のGHは全部で9人です。
徘徊らしい徘徊をするのはたった一人。
それも、誰かを探してるとか、外に出たいとかじゃなくて、覗くだけ。入って放尿しちゃったり、そういうレベルまでは行って無い。
それがね、最近、どうも仕事モードが加味されてるっぽいんですな。
「間取りが違う。おかしいなぁ」って各所の確認をしてる。「ここは何だろう」とかね。

有り難い事に、部屋を覗かれて不穏になる入居者さんはまだ居ないし、動作がゆっくりなので完全に覗く前にワーカーが何らかの手を打てますから大事には至らないんですが、“仕事の邪魔をされる”とパニックを起こしなさるんで対応に時間が掛かります。

でもね、発見したの。
この“仕事モード”ってのが使えるんですよ。
優しい方なんですとても。手を貸すのが好き。
だからかなぁ。メモ用紙と筆記用具で動きが止まるんです。
あとは掃除機かけて頂くとか。
もちろん、「それどころじゃないです」な返答を頂いちゃう場合もありますけどね。

大正〜昭和一桁生まれ。
女は家庭、男は仕事。
そんな意識を濃く持つ世代。
生活の芯がすっぽり抜けちゃって、記憶もとっ散らかっちゃって、落ち着いて居ろって言われたって土台無理な話。

無感動・無関心になるまでは、かなり辛いだろうなと思う。

不安なんだよ。落ち着かないんだよ。居場所が解らないと。
するべき事が解らないと。

「座ってていいんですよ。お茶でもいかがですか。」
そんな事言われたって気が急くんです。動かずには居られない。

「お散歩にでも行きませんか。」
呑気にそんな事してる場合じゃないんです。外なんてどうでもいいんです。

「どうすればいいですか?教えて下さい。一緒にやりましょう。」
自分だって解らないのに、何を教えればいいんでしょう。教える余裕なんて無いです。

一体全体ここは何処なんですか。私の知ってるものが何も無い。
なんですか貴方達は。人の後をくっ付いてきてごちゃごちゃと。
邪魔しないで下さいよ。

不安って、やっかい。