半人前介護士の戯言日記 「カミさんに会えるわい…」を拝見して

【元記事】

特養のSさんを思い出しました。

旦那様が大好きで大好きで、十数年前(だったかな?)に亡くなった時の寂しさ悲しさを、
毎日毎夜毎食後、15分と間を開けずに声を振り絞り身を捩り、泣いて嘆いていらした方。
「早く迎えに来て」「あなたぁ〜」

歌が好きで上品な笑顔が素敵で俳句が上手で「死にたい」が口癖だった。

旦那様が亡くなった事が、彼女にとっては過去ではなく現在で、
亡くなった直後の辛さが持続する。
彼女にとっては“持続”ではないのだけが救いだった。

「その内いやでも会えるから。土産話沢山作っとこうぜ。」
「こっちの10年があっちの1年なんだってさ。まだまだ来るなって言ってるよきっと。今行ったら、『もう来たのか。早いよ』って言われるって。」
なんて言ったっけ。

飲まなくなって食べなくなって、骨皮筋子さんになって逝ってしまわれた。
やっと呼んでもらえたんだな。
そう思ったっけ。

Sさん。ちゃんと間違えずに会えたか?旦那に抱きしめてもらってるか?

「早く迎えに来て欲しい」
私だって今でもそう思ってる。
思い出す必要なんて無いくらいにいつでも覚えてる。考える。
この世に未練なんて無いよ。生きてる意味なんてわかんないよ。

一緒に生きてるんじゃなくちゃ、つまんないよね。
写真に話しかけても、答えてもらえないしね。
声が聞きたいよね、体に触れたいよね。

こっちで目一杯頑張って、「もういいよ、お疲れさん」そう思ってもらえたら、呼んでもらえるんだと信じてる。
だから、できるだけ早く呼んでもらえるように、しっかり生きるから。
合格点もらえるように、頑張るから。