夏祭

縁日形式。
エントランスとディルームを二つ使って、色んなブースを設ける。綿菓子とかカキ氷とか。
今年は、地域の方々がボランティアとしてブースを担当してくださるとの事。
なんと素人ながら蕎麦打ちまで有り、打ちたて茹でたてが振舞われる。
開始は14時からとゆっくりな為、午前中は準備に当てられる。ワーカー達は仕込みや準備におおわらわ。自分は のほほん とカメラ片手にうろうろ。今回も5000円の大枚をはたいて職場からデジカメを借りてきた。

昼食終了から、音楽を流したり法被を着たりして、徐々に雰囲気を盛り上げていく。
自立歩行が可能な入居者は減ってきたけれど、入居者の浴衣姿は増えた。
普段は無気力だったり寝たきりだったりするにも拘らず、自ら「着る」と意欲を見せる入居者も。着付けが出来るワーカーは、あっちこっちで引っ張り凧だ。もちろんワーカーの浴衣率も高い。
着物を持っていない入居者には、入居者の箪笥の肥やしになっている浴衣がお役に立った。
帯が足りず、毛織の帯なんか締めちゃってるのも御愛嬌。

この施設は異動が多く、こっちのワーカーも各階に散らばってきたし、他階のワーカーもこっちに入ってきてるしで、自然に各階交流が生まれているらしい。
それもあってか、今回は他の階からの参加者多数。そっちの方が多いくらいだ。

脳梗塞を起こして以降、食事が全介助の入居者や、嚥下困難や摂取意欲低下で食事もペーストの入居者が、綿飴やビールを自分から食うわ飲むわ。
もちろん、ガッチリ一対一でワーカーが付いているから不安は少ないが、看護師は2名とも出勤してフロアを回っている。

良い笑顔。いつもより大きな声。多い口数。ワーカーを緊張させる少々高すぎるテンション。
見た事も無い人が一気になだれ込んだ為に不穏が爆発する入居者がいる一方、他階の入居者と、お互い旧知の知り合いのように談笑する入居者も居る。痴呆棟ならではの風景。

「客」を優先に写真を撮ったもんだから、プリントしたら自分とこの階の入居者が殆ど居なかった。というよりも、どうも参加入居者自体が今までより少なかったらしい。
レベル低下も原因の一つだろうけど、客で混み過ぎたってもあるんじゃないかなぁ。
誰が何階の人かが判らないので、他階から来たワーカーに見分けてもらい、該当階に配布した。

午後からの大きな行事ってのは初めてで、入居者の疲れが心配されたけど、その後にやった当階オンリーの盆踊り(ディサービスのフロアを借りた)の方が出席率が良く。(まぁ、自発的参加ってより車イスで誘導されてきたから。ってのもあるんだけど)
ダンボールを台形に積み上げ、紅白幕を巻きつけたやぐらを中心に、地域の踊会の人たちが華やかに盛り上げてくれた。
実際踊るよりは見てる割合が高かったけれど、曲に合わせて体をゆらしたり、座ったまま手だけで踊ったり、太鼓の音に聞き入ったり、それぞれなりの楽しみ方をして下さった様だ。
雰囲気を把握しかね、当惑気味の車椅子組が、輪の中に引っ張り出されて一緒に回っている内になんとなく手が動いたり笑顔が出たりするのが嬉しかった。

欲を言えば、(ボラさん達が踊りたいんだろうけれども、)全く知らない曲が殆どのメドレーをやるより、聞き慣れた炭坑節と東京音頭だけを繰り返しやって下さった方が参加しやすかったんじゃないかなぁと思ってみたり。