七夕行事担当につき

◆ちょろっと飾り付けの作成と追加
◆当日オヤツの下準備
◆入居者の短冊書き手伝い

上の二つはこの際どうでもいい。
問題は一番下のやつ。
目標は全員作成。なんだが数人に手を焼く。

躊躇したのは盲目の入居者。
行事に対する理解はあるものの、もともと団体行動への参加意思が薄い為、竹に触れていただくのが精一杯。
「うんうん。わかった」
で、終了。
短冊書きは勿論、折り紙その他も参加表明無し。当日の唄には耳を貸して頂きたいと願う。オヤツは食べていただけるだろうから心配していない。

難航しているのが精神的にアップダウンが激しく込み入った意思疎通が困難な入居者。
じっくり取り掛かって気分を持ち上げるだけの時間が取れず、上向いた隙を狙って多少無理やり突っ込んでみるも
「やらん」
と玉砕。
当日の機嫌に期待。

放り投げてしまいたいのが意固地なマイペース入居者。
ここ二ヶ月ほどで順調にレベルダウン中ときている。
字を書く事への理解はあるものの、行為そのものに繋がらない。
文字を書くのは解るが文字の書き方が解らない。でも書けないのがナゼかが解らないから気分が悪い。気分が悪いからやりたくない。
煽てられるからやろうかなと思うんだけど、どうすればいいか解らない。横からあーだこーだ言われる。“やらされる”のはダイキライ。そんな思いまでしてやりたくない。

そんな中、一筋の光明。
どうにかなりそうなのが痴呆の無い利き手麻痺の入居者。
他人に逆手を使い字を書く姿を見せる事や、自身の思うような字が書けない事等が絡まり合い、
「書かない」と臍を曲げていたんだが、
字の目立たない色と、当人の好きな色の短冊を各数枚用意し、ペンと共にお持ちしてみた。
部屋でゆっくり書いてくれと。紙が足りなかったら朝にでも言ってくれと。
どんな格好をして、何を使って書こうが、居室の中なら抵抗も薄いかと思ったのだ。
「一枚でいいよ」
とは言われたし、おそらく一枚しか使わないだろうとも予測できたが「沢山切っちゃって余ってんだ」と押し売りしておく。
駄目押しとして禁じ手ギリギリの“他の人だって字が下手・若しくは字になっていないよ”攻撃。
今までに書いていただいた他の入居者の短冊をちらっと見ていただく。
肩の力が抜けたように見えたのは願望から来た目の錯覚だったか。
ともあれ、明日の当日、何某かの文字が書かれた短冊が頂ける事を祈る。