ショートステイ帰宅

日本初のスチュワーデスの一人だったと云う、ツワモノが又ショート利用で来た。
「エア・ガール」と云う大正浪漫な名称を歴史では無く過去の事実として聞くのは、中々に素敵な体験。

エアが何だ。入居者には「バス・ガール」が居るぞ。と張り合ってみたり。

このエア・ガール様は、健脚の昼夜徘徊者で、責任感が強く仕事が大好きな力持ち。
消えてる電気を点ける。点いてる電気を消す。閉まってる扉を開ける。開いてる扉を閉める。コンセントを抜く。機器を運ぶ。他の徘徊者を煽る。やられればやり返す。
「ここは私の家」であるから、
他人が自分に無断で部屋を使っているのが不当でならない。見覚えの無いものが有るのが不思議でならない。家族が見当たらないのが不安でならない。
「私には当然の権利がある」のであるから、
“仕事”を邪魔されるなんて許せない。“忠告”を無視されるなんて信じられない。“行動”を束縛されるなんて理解できない。

そのお姫様が、5日目の今日、ご帰宅あそばされる。
・・・・・・・バンザーイ。

ショートステイのみの階で受けた際、その余りある自由奔放さに<受け入れは2泊3日以内>
と制限を食らったと言う。
此処には2回目。
家族は、良くぞ受けてくださったと感謝をしたらしい。

もちろん、全員一致で拒否をしたさ。
相談員も尽力し、なんとか思いとどまって頂こうとしたんだが。

「本人が不安になろうが、私達を探して歩き回って転ぼうが、
私達が少しでも楽であればそれだけで良いんです

と仰ったとか。
いっそ正直で爽やかだ。潔い。