戦争と施設

何時テレビを付けてもドンパチ三昧。
さぞや入居者は不穏になる事だろうと渋い思いをしていたのだが。

杞憂でございました。

肝っ玉姐さん80歳に至っては、
「戦争なんてねぇ、いつだって世界のどこかでやってんのよ。それを わぁわぁわぁわぁ騒ぎ立てて。馬鹿馬鹿しいったらありゃしない。」
と心強い(?)事を仰る。

テレビの内容を深く理解する入居者にとっては“既に経験済み”の事であり、
全く違う要因から戦時中の混乱を引き戻す入居者にとっては“ただの画像”“いつもの箱”“(認証不定)”に過ぎないのか。

今日の昼飯は不味かった、と話していた流れで第二次大戦の話をしたりするのだから、戦争は日常生活の一部なのかもしれない。
時系列も、場所も、相手が誰かもイレギュラーで繋がってしまう世界に於いては、改めて考える必要は無いのかもしれない。
戦争が始まる前の時代に生きている人だって居るのだ。
「戦争」と言っても、「弁当?」と聞き返してくださる人とか。(「そうそう、もうすぐ弁当が来るってさー」と繋げておく)

それよりも、「水戸黄門はまだか」「チャンバラはやらないの」と苦情が来る。
そっちの対応の方が忙しいくらいだ。
戦争報道用のチャンネルを一つ作って、関連番組はそこに集結させていただきたい。
毎週楽しみにしてる番組が潰されるのは、野球だろうが戦争だろうが内容に関係なくがっくり来る。

天皇崩御の時よろしく、レンタル屋は賑わうかもしれんな。と不謹慎な事を思ってみたり。