要介護度4公認をいただく

ケアカンファが行われた。その経過はまぁ良い。(書類は間に合った)
問題はその後だ。
カンファが終わり、フロアへ出てしばらく動いていてハタと気付いた。
…書き込みした書類どうしたかな。
終わってから出るまでの間が全く欠落しているのである。ほんの数分前のことだ。
どこかに置き忘れ、面会者にでも見つけられた日にゃぁアナタ。大変なことですよ。
他の職員に聞き、各所を探し回るも見つからない。A4の用紙10枚。そんなに小さいものではなく何処かにふと紛れてしまう大きさでもない。会議していた場所には入居者は入っていない。その間の移動距離や範囲なんて多寡が知れているし入居者とも関わらなかった。にも関わらずとうとう発見できず仕舞い。
他のワーカーにも目につかなかったって事は面会者の目に留まる危険性は薄いだろうから、まぁ職場的な問題は無いんだが。

文字にした以上は覚えているはずも無い必要データを失ったショックより、書類を紛失した事よりも尚、その記憶の抜け方に慄いた。
もともと記憶力は悪く、物も無くす。探し物も下手なら整理整頓の才も無い。
だからこそ、「ナニカチガウ」と警報が鳴ったのだ。
短時間に起こった事だからでもなく、物が仕事関係だからでもない。上手く表現できないけれど「ナニカガチガ」ったのだ。
脳みそのシステムにバグが生じた感覚とでも云おうか。ミスの出所が今までとは違う気がした。

「どこにやっちゃったと思います?」
相当悲壮な表情をしていたらしい。
「そんな泣きそうな顔で聞かないでよ」
「お前自分が誰だか知ってるか?《苗字》だぞ。今更だろそんなもん」
それぞれに慰めて(?)はくれるものの当人はそれ処では無い。
自分の歩いた軌跡を思い出せる限り辿ってみる。行きそうな所、入りそうな場所、私物エリアを見て回るも気配なし。

勤務時間が終わっていたのが何よりの救いだった。後があったら仕事に身が入らなかったに違いない。

「可哀相だから介護度申請を改定してやろう。4にしてあげるから安心しなさい」By相談員。
…安心?